がん(癌・ガン)を中心とした生活習慣病の予防と治療 「ガンフリー友の会」
株式会社 ガンフリー
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記事紹介
■ 船井幸雄と本物の医師たち
船井 幸雄
(編)
船井幸雄氏が本物と認めた九人の医師が紹介されている本です。ガンフリー主治医である森時孝医師が、がんの研究と成果について、解りやすく説明されています。
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読まれることをお勧めいたします。
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■末期ガンを癒す「MMKヨード療法」
ヨードが直接ガン細胞を破壊していく
森 時孝 (CLI内科皮膚科診療所医院長)
私も近代医学を勉強した身ですから、近代医学を否定するつもりはありません。日本人が長生きできるようになったのは、まちがいなく近代医学のおかげです。抗生物質などの薬、手術の方法、検査診断法、みな格段の進歩を遂げています。
しかしながら、人間のやることには、時に行き過ぎということが起きる。私が大学に入っていちばん最初に感じたことは「近代医学は診断学だな」ということでした。まず第一に診断ということがくる。それが決まらないと治療が始まらない。たしかに診断をつけるということはとても大事なことなのです。
ところがその診断をつけるために、さまざまな機械ができあがってきた。私たちの医学生の頃は肺のレントゲンでも、ボケたりしていて、せいぜい断層写真が取れる程度だったのですが、今は長足の進歩を遂げて、からだの内部までのぞけるし、血液検査でガンを見つけられるまでになっています。しかし、進歩はしたものの、全体としてみると「何か凸凹しているな」という印象を拭えません。
たとえば検査方法の進歩によって何が起きたか。触診、聴診、打診といった人間として本来持っている診断能力が置き去りになってしまいました。何週間も病院に入院しても、機械による検査ばかりで「退院するまで一度も先生に直接さわって診てもらえなかった」という患者さんも少なくありません。
心電図も、レントゲンも、MRIも、みな専門の技術者が行ないます。医者はその結果だけを診て病状を判断し、投薬を行なう。それが当たり前のようになってしまった。 そしておかしなことが起きてきました。しょっちゅう体にさわっているマッサージの人とか鍼灸の先生のほうが早く病気を見つけてしまうのです。「あなた、ここがちょっとおかしいから病院へ行ってみてもらったほうがいいですよ」
機械的なものに頼りすぎた結果、医者は五感による診断の能力を衰えさせてしまった。しかも患者さんとの触れ合いということもなくなって、昔はあった医者と患者の信頼関係も薄れてきてしまっている。人間としていちばん大切なものを置き忘れてきてしまったのです。
医学も含めて自然科学というのは、観察の学問ですから、機械による観察を否定するつもりは毛頭ありませんが、何でもかんでも機械に頼るというのではなく、触診、聴診など五感を使う診断という原点に立ち返ってみるのも大事なことではないかと思うのです。
■ 失われた患者と医者との信頼関係
医者が患者に触れて診るのは医療の原点ですが、決して原始的ではない。それどころかどんなすばらしい機械でも、まだこなすことのできない病気の診断ができる。たとえば「ガンになる兆候」といったものは、ふだんから触診の腕を磨いていれば、ある程度は判断できる。兆候の段階で発見できれば、予防という手段もとれるし、患者さんのほうも、検査だ、手術だと高いお金を払わなくてすむはずなのです。
昔の医者は非常に頼り甲斐のある人間として尊敬されていました。また、医者と患者の間は強い信頼の絆で結ばれていた。そういう絆がなくなったことは、心情的な意味だけでなく、診断という医学の入り口段階で大きな問題を引き起こしているのです。
もっともこれは医者だけの問題ではありません。患者さんのほうも、CTだ、レントゲンだと証拠を見せないと納得しない。証拠がないと後でいろいろ面倒なことが起きる可能性もある。そういうことから、お互い機械に頼るようになったという事情もあります。
医者同士の会話も「CTやったか」「エコーとったか」「レントゲンはどうだ」「ガン細胞を発見できたか」「どういう種類の細胞だったか」「遺伝子はどうなんだ」と、こんな話ばかりになる。しかし検査の機械というのは、病変を見つけるのはうまいが、前述したように、病気になりそうだが「まだなっていない」という状態のチェックはできない。だから検査で「すべて異常なし」のおすみつきをもらった人が、数カ月後に大きなガンが発見されるということも起きてくるのです。
私の診療所ではあえて近代的な検査装置をおかずに、昔ながらの触診、聴診を中心にしています。うちにくる患者さんの九割はガン患者さんで、それもV期、W期の方が多いのですが、私は患者さんが姿を現わしたときから観察を始めます。顔色、態度、雰囲気、歩き方などをまず観察し、それから体を診ていくようにしています。
そういう形ですでに延べ一万五千人の患者さんを診てきました。そして後述するMCRという診断法で早期ガンの約八五%を発見し、パラメシウム/MMKヨード療法によって、約七割の患者さんに臨床的に「有効」の結果を出しています。
機械をおかなくても、いや機械に頼らないからこそ、これだけの成果が上げられるのだ、と私は思っています。
■ MCR検査で早期ガンは八五%発見
私は子供の頃から体が弱くて、医者になろうなどとは夢にも思っていませんでした。あるとき一人のお医者さんから「自分の病気を治せるのは自分しかない」と教えられ、それから医者になろうと思ったのです。
私の場合、何の病気ということではなく、母の系統が体質的に弱く、その血を受け継いだようでした。「もって生まれた遺伝子の強弱で人生の七割は決まる」と言う人もいますが、私は何より弱い体を何とかしたかった。そういう気持ちで医学を勉強してきて、結果的にはそれが患者さんの病気癒しに非常に役立つことになったのです。
今日、私があるのも自分の弱さゆえだし、私が重い病気で悩む患者さんに、少しでも役立っているとしたら、私が自分のために貧欲にあらゆることに興味を示し、それを自分の中に取り込んできたからだと思います。
最初は内科を学びました。しかし内科は体力がいる。それで一年ほどで無理だと気づき、臨床から研究の方へ方向転換しました。その時の私の恩師は、松原正香先生といって、丸山ワクチンで著名な丸山千里博士の実兄にあたられる方です。
松原先生のご指導の下で私はガンの研究を始めました。松原先生は「松原癌皮内反応」と呼ばれるすばらしいガン診断法をお持ちでした。ガンを持っている人の体内には「ガンに対する抗体ができているのではないか」と考えた松原先生は、ガン組織から抽出したある物質をガン患者に注射したのです。
そうしたらツベルクリン反応に似た発赤が得られた。その大きさから、陽性、疑似陽性、陰性という形で、ガンのあるなしを簡単に診断する方法を開発されたのです。この方法によりますと、皮膚に注射をして四時間で判定でき、その人にガンがあるかないかが非常に高い比率でわかるのです。
この「松原癌皮内反応」は、金原出版という出版社から出ていた『臨床検査法』という著書のガン検査法の第一ページに出ていました。それくらい画期的な診断法でしたが、残念なことに世の中に広く普及するまでにはいたらなかったのです。
その理由はガンだとわかっても治療法がなかったからです。今のように治療法も進歩していないし、また告知もほとんどなされなかった。とくに患者にはほとんどガンの病名は教えなかった時代です。そんな時代に「ガンとわかってどうするんだ」という風潮が根強くあったのです。
また、この診断法では部位までわからなかった。それではたとえガンだとわかっても医者は手が打ちづらい。今だったら検査法が飛躍的に進歩していますから「ガンである」とわかればどんな方法を使ってでも、ほぼ部位を特定できるでしょうが、それができなかったので、今一つ普及することがなかったのです。
しかし、私はこの「松原癌皮内反応」をずっと研究していきました。 私がこれにこだわったのには、理由がありました。というのは「シュワルツマン現象」というのがあったからです。動物の体にまずある物質を皮内注射する。そして二十四時間後に同じものを静脈注射する。そうすると注射した部位が発赤を起こすだけでなく、物によってはその部位が壊死を起こすのです。
これが有名な「シュワルツマン現象」で、なぜ起きるのかは現代医学では「こうだ」と説明し切れていませんが、松原先生はもしこの現象をガンの部位で起こさせれば、ガンは即治ってしまうと推測したのです。「松原癌皮内反応」を使って何とかシュワルツマン反応を起こさせることはできないのかと考えました。
そういうことから「松原癌皮内反応」をずっと追いかけていったのですが、当時のやり方ではもう一つ大きなネックが存在しました。それは人間のガン組織をとってきて、それを砕いて、そこからある物質を抽出して注射する。こういう方法では手間がかかって仕方がない。何とかガン組織に代わる材料はないものかと、いろいろ模索した結果、松原正香先生はガン組織と同じ性状の物質として胎盤を見つけたのです。 妊婦の胎盤もガン細胞と同じように旺盛に増殖する。また調べてみると、ガンと胎盤は生化学的性状が非常によく似ていたのです。
そこで胎盤から特定物質を抽出し、ガン患者の皮内に注射したところ、ガン組織から抽出したのとまったく同じ発赤が得られた。そこで胎盤から注射に使う反応液が製造できるようになりました。
現在、私の診療所で行なっているMCR検査というのは、この方法によっています。 この方法による結果は次のように診断しています。結果は、(1)陽性、(2)疑陽性、(3)陰性の三つに分けます。発赤の直径23ミリ以下が陰性、24ミリは疑陽性、25ミリ以上は陽性と判断します。ガンになる可能性が心配な方は、6ヶ月ごとにMCR検査を受けていれば、かなりの確率で早期発見ができますから、万一でも対応が楽です。
疑陽性のときは、もう一回MCR検査をしていただきます。というのは、検査したときの健康状態や注射後の行動で、ガンでないのに疑陽性になる場合もあるからです。陽性の場合も、もう一回MCR検査をし、二回目も陽性なら、精密検査を受けてもらいます。MCR検査をしますと、早期ガンは八五%の確率で発見できます。
以前、MCR検査で陽性と判断された人が、ガンの精密検査を受けたが、体のどこからもガンが発見されなかった。それで自分はガンにかかっていないと思っていたら、一年ほどしてガンの症状が現われて、再び検診を受けたら、今度はガンと診断されたという例もあります。顕微鏡下でないと見つけられないような微小ガンに対しても、MCR検査は反応を示すのです。
ただMCRだけでは、部位まではわかりません。それゆえ、近代医学の進んだ検査方法も必要になってくるわけです。こうしてMCRと精密検査でガンが発見されたら、さてその先はどうするかという問題が出てきます。ガンの治療はどこにできたガンかによってそれぞれ治療法も異なってきます。
また、肝臓ガンの場合、直径1〜2センチのガンと、それ以上のガンとでは、性質が異なると言われています。そのガンの増殖テンポが早いなら、早く切除したほうがよいけれど、増殖がゆっくりであったり、それ以上になかなか大きくならないガンなら、あわてて手術する必要はない。ガンになったからといって、それですぐ死ぬわけではないことを知っていただきたいと思います。
ところがさいきんは医者のほうが、ガンとわかると先へ先へと対策を急いで治療するために、自然の経過を見る機会が減ってきている。早期発見は大切なことですが、発見されたからといってすぐに手術や放射線、化学療法をやると、おとなしいガンを刺激してかえって悪くなる場合も少なくありません。急を要するガンは、そんなに多くないということも知っておいていただきたいことの一つです。
■ ガンの徴候は皮膚に現われる
ところで「松原癌皮内反応」には第一から第三まで三つの反応があります。初めのガン組織からある物質を抽出して反応液を作り、皮内に注射を打つのが「第一反応」、胎盤から抽出した物質による反応液を使うのが「第二反応」、これが現在のMCR検査になっていますが、もう一つ「第三反応」というのがあるのです。
それはパラメシウムというガン抑制効果を持つ物質です。この物質はゾウリムシから抽出します。ガン細胞が原生動物と似た特質を備えていることから、松原先生はゾウリムシの研究をされ、ガン抑制効果のある水溶性物質の抽出に成功されたのでした。これを用いた注射を打つのが「第三反応」です。
つまり松原先生のガンへの対応には三つの基本命題があった。私は一緒に研究をしていて、この三つの共通因子を探そうと思ったのです。そうこうしているうちに、私はひょんなことから皮膚病の勉強をすることになったのです。
そのきっかけは医学とは別のことでした。その頃、私は結婚したのですが、研究員の給料だけではとても食べていけなかったのです。妻から「あなたのいまのお給料では十日しか持ちません」と言われ、何とかしなければと思ったのです。
その頃、いちばん率のいいアルバイトは何かと聞いたら、先輩が「皮膚科がいい」と教えてくれたのです。それで皮膚科の勉強をしたのですが、これは後の私の研究に意外に役立った。皮膚というのは、たんに生体を覆っているだけではなく、内臓を保護している。ですから皮膚に現われた現象によって内臓の異変を素早くキャッチできるということがだんだんわかってきたのです。
慢性の皮膚病は皮膚だけが原因ではない。内臓がからんでいることが多い。そうだとすると、皮膚病を治すには内臓を治さなければならない。またガンのような病気でもそれは皮膚に現われる。ここから私の研究テーマにつながりました。それで皮膚科の勉強を一生懸命やったのです。
もともと皮膚科の専門家ではないですから、皮膚科でも内科的に診ることができたことも幸いしました。そうやって今までの皮膚科の治療法とは違った一つの治療法を自分で作り上げることができたのです。
■ パラメシウムでわかる人間の予備能力
最初から皮膚科に行っていたら、たぶんこういうふうな治療は思いつかなかっただろうと思います。皮膚の状態を見ますと、その人の病状がわかる。皮膚というのはすべてその人の健康状態を表現しているのです。
現在、私が用いている治療法というのは、MCR検査とパラメシウムおよび私が開発したMMKヨード療法によっています。これらの治療はすべて注射と内服によるものです。
治療で大事なことは、基本的には「体を丈夫にする」ということです。これが病気を治すもとです。このことはガン治療でも変わりません。体の丈夫な人は病気が治りやすい。弱い人間は病気しても治りずらい。だから病気を治すコツは、基礎体力をつけることです。
もう一つ大事なことは、いまの検査方法のいちばんの欠点は、その人の予備能力を測定できないことです。たとえば肝臓が悪い人でも、その人が酒を飲めない人なのか、一升、二升飲める人なのかは検査ではわからない。それがわかるようになれば、コントロール可能となり、治療法は格段に進歩するはずなのです。
今は、こうした予備能力がつかめないから治療がむずかしい。ある時点の肝機能検査の一つであるGOT/もPT値がいくらかはわかっても、肝臓の予備能力がどのくらいか判断できません。もしそれがわかれば、いつ頃、肝臓がどうなるかは、かなりの精度でわかってくるはずなのです。
最終的には寿命までわかるかも知れない。このように現在の一般的な検査法では予備能力が検査できないため困っているわけですが、私はパラメシウムによって、ガンに対しての予備能力をある程度判定することができるようになり、それを治療に役立てています。
予備能力がわかれば「あなたの数値はここまできているが、まだまだ大丈夫ですよ」とか「検査数値では大したことないが、予備能力が少ないので十分に気をつけなさい」といったことが言えるようになります。
以前は、触診、聴診をやれば、患者とじかに接し、いろいろ観察したり直接聞くこともできるので、医者は自分の観察で患者の予備能力を測りました。たとえばこんな例がありました。ある大学病院の先生の紹介できた患者さんは、賢臓ガンが肝臓に転移していて、末期に入っていました。食事が満足にとれないし、自分で歩くこともできない。それでかつがれて私の診療所に現われたのです。
顔色を見るとひどく悪い。一通り診察してパラメシウムの点滴をしました。これがいつものうちのやり方なのです。点滴をして二十分もしたら、顔色が良くなって、自分で歩いてトイレに行きました。付き添いできていた奥さんが「もう、ずいぶん歩いた姿は見たことがない」といって涙ぐんでいました。
くるとき人にかつがれてきたのが、出ていくときは自分の足で歩いて出ていかれました。そのとき私はこういったのです。 「点滴でこんなに顔色が良く元気になるんだったら、十分に望みはありますよ」 パラメシウムの点滴で良い変化が現われれば予備能力は残している。予備能力のある人になら次にお話するMMKヨード療法をやると非常に効果が上がるのです。パラメシウムを打って元気が出ないようではMMKヨードを内服しても効果が少ないのです。
パラメシウムは原生動物のゾウリムシから抽出した物質です。昔は池とか水田など淡水系の水の中にゾウリムシがいたものです。それが農薬を使うようになって、どんどん減ってきてしまいました。ゾウリムシは細菌を食べてくれる。自然界で物を腐らせるのは細菌ですが、腐らせて自然を元に戻すという役割を細菌が果たすと、次にゾウリムシが細菌を食べる。それを小さな昆虫が食べ、その昆虫を魚や蛙が食べ、鳥が食べ、という形で一つの生命サイクルができあがっていることは皆さんご存じの通りです。
松原先生がゾウリムシに着目したのは、ゾウリムシは一晩で世代交代するので、遺伝の研究などに便利です。それで使われていたのですが、あるとき夏休みでみんなが帰ってしまったあと、ビーカーに入れてあった水がいつまでたっても腐らないで、きれいなままだった。そのことに目をつけたのが松原先生でした。腐らないということは細菌が繁殖していないことです。なぜ細菌が繁殖しないか。ゾウリムシが食べていたのです。ところがゾウリムシがいなくなってもまだ腐らない。その液はきれいな透明を保っている。
その液を松原先生が私のところに持ってきて、「森君、これ何かあるよ。調べてごらん」とおっしゃった。たまたまネズミにガンを移植していましたので、ネズミにそれに注射したのです。そうしたらネズミのガン細胞が大きくならない。これが私とパラメシウムとの出会いと出発点でした。当時はゾウリムシを純粋培養するのが難しかったのですが、その後私は、純粋培養に成功して、現在の形で用いるようになったのです。
パラメシウムは自然のサイクルの中の一つの物質です。したがって何か抗生物質作用があるのではないかというのが、松原先生の最初の着目動機でした。そしてガン細胞に効いたのも事実です。しかしパラメシウムの点滴でガン患者が元気になるのは、ガン細胞をやっつける能力をパラメシウムが持っているからではないかと私はみています。
パラメシウムは免疫力に影響を与え、また、何か人間の基本的な生命力に活力を与える物質なのだと思います。こうした元気の出る物質を用いてみて、その人が元気になれば、まだ生命力が残っている。そういう意味でパラメシウムは、その人の持つ予備能力の一つを見るのに適しているのです。
■ ヨードとの出会い
パラメシウムの次にガン治療に用いるのがMMKという物質です。むしろこちらが中心になっています。MMKは、ヨード剤です。ヨードを肝油に溶かして、患者さんに投与しますと、非常にガンに効果があがるのです。ヨードに着目したきっかけは、群馬大学内科の教授であられた七条小二郎先生が、ガン学界で「甲状腺機能亢進症の患者はガンの発生率が非常に少ない」ということを発表したことから始まりました。今から二十五年ほど前のことです。
そのとき七条先生は松原先生と同じガンの研究者の一人でした。七条先生から「森君、甲状腺の粉末を飲むとガンにかからないよ」と教わったのが、今日の私のMMKヨード療法の出発点になりましたが、もう一つ私にはこの療法に注目する材料があったのでした。それは蛙のことです。蛙はオタマジャクシから蛙になりますが、あの劇的な形態の変化は甲状腺ホルモンによります。甲状腺ホルモンはヨードを材料とする。ここに何かヒントがあるように思ったのです。
というのはオタマジャクシから蛙になると、形態も変わりますが、運動能力も飛躍的に向上する。オタマジャクシの緩やかな運動能力が、蛙になるとすごい跳躍力や泳ぐ能力に変化する。あの変化はいったい何なのかということです。そういう疑問をかねて抱いていたこともあって、「ヨードには何かあるな」とピンときたのです。
さらにもう一つMMKヨード療法が生まれるについて幸運な出合いがありました。ある人が私のところへきて「いいヨード剤がありますよ」と教えてくれたのです。それは戦前に京都大学出身の牧野先生が麻布で開業しておられ、名医の誉れ高かった。その牧野博士の使っていたのがヨードです。その薬の製法を戦後、誰かが継承して厚生省の許可を得て市販されていました。紹介してくれた人は、製法は教えてくれませんでしたが、私はいろいろと研究した結果、この薬によってヨードを用いることができ、MMK療法へと進んで行くことができたのです。
MMKはヨードを肝油に入れ、これにもう一種類の物質を加えて液状にしたもので、これを内服するだけでよいのです。これまでに延べ一万五千人くらいに用いられ、臨床として六割から七割の「有効」を得ていますが、以下にいくつかの例を紹介してみたいと思います。
開発初期の頃のことです。私の下級生のお母さんが、二十年前から両足の関節痛で歩くことができなかったのです。そのお母さんはお医者さんで、私の先輩でもあった。私のヨード研究を知って興味を示され、服用した。そうしたら二週間で歩けるようになって、二十年ぶりにハワイへいって泳いだということでした。「これは効く」と私がある程度の見通しを得た最初の事例でした。ガンで最初に効果があったのは大腸ガンの患者さんでした。私の友人の叔母さんにあたる人で、その人の兄弟五人もガンというすごいガン体質の一家でした。その女性はすでに手術を受けて人工肛門になっていました。また、人工肛門のところから出血していました。
それだけではなく、私のところへきたのが九月の末で「年内持つか持たないか」という余命いくばくもない状態でした。MMKを飲んで一ヶ月たつと顔色が良くなった。二ヶ月後、本来なら命の火が消えてもおかしくないのに、いっこうにその気配がない。年が明けて二月になると、完全に出血が止まって「温泉に行きたい」と言い出したのです。 「いいですよ。行ってらっしゃい」と私は言いました。半年たらずでそこまで回復したのです。この方はその後すっかり元気になられ、現在も元気でいらっしやいます。 こういう形で次第にMMKヨード療法を望む方がクチコミで増えてくるようになりました。中にはガン専門医が、自ら手の施しようのない患者さんを私のところへ送り込んでくる。また医師自身が末期になってMMKを求める例も出てきています。
MMKは何が効くのか。私はヨードの持っている直接作用だと思っています。動物実験ではヨードが直接ガン細胞を破壊していく。ヨードがその人の体質に合うか合わないかです。その人の体質に合いますと非常に早く快方へ向かう。そしていちばんよい点は、副作用が極めて軽微なことです。 胃腸障害と甲状腺への副作用は少しあります。内服して胃を悪くしたり下痢症状が出る人もおります。しかし効果からみたら、その程度なら、非常に広く使ってもらえると思うのです。また点滴のパラメシウムと合わせると、治る治らないは別にして、六、七割の患者さんに長い効果が得られ、そのうち何割かの方が社会復帰が可能になります。 いちばんうまくいった状態は治ることですが、治らない場合でも進行が止まるとか、本人が元気を取り戻すということが見られます。また、ガンの最大の恐さは転移にありますが、ヨードは転移をかなり防いでくれるようです。
いちばん良いのは手術前に飲んで、手術後にすぐ飲むと転移を防ぐ。これで助かる確率がぐっと高くなります。延命効果で考えれば、その確率はさらに高まるでしょう。 それからもう一つはヨードを飲んでおくと、手術しても痛みを軽減することが多いのです。 手術は麻酔が切れると痛いものですが痛がらない。もう一つは傷の治りが早い。余病併発も少なく、早く退院することができます。痛みは強いストレスになります。その痛みが軽減されると日常生活が送りやすくなります。
さらにもう一つMMKヨード療法には、抗ガン剤の副作用を軽減し、効果を高める作用も得られます。抗ガン剤と併用することで、いっそう効果が上がるといってよいかも知れません。 抗ガン剤はさいきんいろいろ言われていますが、抗ガン剤のおかげで延命させたり、ガンという病気がコントロールできるようになった。医療で大事なことは治癒のみではなく、コントロールできるかどうかも大きな問題です。その意味でガンをコントロールできるようにした抗ガン剤の役割を否定することはできません。
ただ抗ガン剤には言われているような副作用がある。MMKと併用しますと副作用が軽くなるので、抗ガン剤本来の価値をそれだけ高めることになる。抗ガン剤の副作用が軽くなって、効果が出ればガン治療は大きく前進します。 たとえば慢性の白血病というのがあります。これは昔は余命三ヶ月から二年と言われた。三ヶ月〜二年たつと急性転換して亡くなってしまうのです。それが技術が進歩して三〜七年と長くなった。この進歩とはコントロールできるということです。
慢性白血病の場合、急性転換するかどうかの指標は私の経験では脾臓にあると思います。脾臓が腫れてくると急性転換する確率が高くなります。なぜかというと脾臓は白血球の墓場だからです。白血球を壊すところが脾臓である。ここが駄目になると白血球が増える。それが急性転換です。この脾臓の腫れを引っ込めることができるようになったのです。
したがって抗ガン剤と併用がしやすくなった。また「急性転換しませんよ」の二言がどれだけ患者に勇気を与え、それが治癒に結びつくかを考えると、コントロールということが、いかに重要な意味を持っているかがおわかりになると思います。ちなみにMMKヨード療法によって、私の記憶するかぎり、通院可能な患者さんでこの数年間に急性転換した慢性白血病患者は一人もおりません。
こういうことでMMKは手術に頼らず内服という簡単な方法で、ガンに一定の効果をもたらすことが明らかになってきました。しかも副作用が少なく、抗ガン剤との併用を妨げない。MMKによってガン治療のコントロールは非常にしやすくなりました。コントロールできるようになれば、治る人間も出てくるようになります。それは自分の自然治癒力を生かす機会が与えられるからでもあります。
私は自分の体のために研究に打ち込んで、気がついてみたら、皮膚病が治せるようになった。肝炎も全部とは言いませんが、かなりの確率で快方へと向かわせることができるようになった。それから喘息へと次第にレパートリーが広がっていきましたが、しかし、いつのまにか私の診療所は九割がガン患者さんという状態になってしまいました。
何か一つ有効なものが見つかると、それを媒介に応用範囲がどんどん広がっていく。いま私はMCR検査、パラメシウム/MMKヨードによって、悪性瞳瘍についてはかなりの確率でコントロールできる武器を手に入れたいう気持ちがしています。しかし、ガンが治せるというまでにはまだ至っていません。勝負はこれからです。
インタビュー・文責
CLI時孝会
(現在の『ガンフリー友の会』)
代表 五十嵐 秀
森時孝先生と出会ってから、かれこれ二十年近くになります。当時、私は、三越新宿店長でしたが、先生は医者らしくないというか、威張らず、何事でも率直で、ざっくばらんなお人柄が印象的でした。私はその後、CGCジャパン、秀月人形チェーンなどの副社長を経ましたが、医師として、また人間としての森先生に、すっかり魅せられてしまった私は、平成二年にオーナー経営者を成人病から開放するという趣旨のもとに「CLI時季会(現在の『ガンフリー友の会』)」を設立することになりました。
当会では、森先生を囲んだ親睦会や健康相談、旅行会や食事会など、全員同士の交流の会です。現在ではこうした交流を通して、自分がいかに重症患者であったかの自慢話に花が咲くくらいに、健康であること、家族と楽しく暮らせることの素晴らしさを謳歌しています。そして、医学的見地にもとづいた措置と思いやりの心が健康の秘訣と考えています。
船井先生がおっしゃるように「プラス発想」こそが健康と若返りのポイントですが、人間、いざ体調が崩れると、本人はもちろんのこと、家族もー緒に不安と混乱に巻き込まれます。そうした不安を解消することも当会の大切な役目です。
当会では、急に会員の体調、病状が変化した場合は、CLI内科皮膚科診療所で診察が受けられる体制をとっています。また、身体に心配があればいつでも私どもを通じて診療所の方への相談ができます。人と人との出会い、ふれ合いの心を大切にしながら、人生を愉しく生きる人たちの輪を拡げていきたいと考えています。
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五十嵐代表(左) セラピスト小松女史(右)
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